素材屋と小売店が育てる未来の塗師 d&URUSHI PROJECT KYOTO 2026
D&DEPARTMENT KYOTOさんと協働で進めている塗師(ぬし)育成のチャレンジ「d&URUSHI PROJECT KYOTO 2026」。漆屋である堤淺吉漆店の若手漆精製職人を未来の漆塗り職人へと育成する初めての取り組みです。
京漆器の塗師指導のもと、まずは初年度50客の漆器(汁椀)を塗り上げる中で、技術・ノウハウ・精神性を学びます。現在工程は佳境を迎え、2月下旬には最も難しいとされる上塗り(最終の仕上げ塗り)に入ります。
このプロジェクトは、
①漆屋(原材料店)・・・堤淺吉漆店
②漆器の販売店・・・D&DEPARTMENT KYOTO
③漆塗り職人(塗師)・・・髙木漆工
④漆器の使い手(消費者)・・・あなた
の4者が、「京漆器の漆塗り職人(塗師)の後継者不足」という共通の課題解決に向けて取り組む初めての試み。
素材屋である当社と販売店であるD&DEPARTMENT KYOTOさんに加え、最大の特徴は、プロジェクトを通して完成したオリジナル漆器を購入して頂いた皆さんが、消費者としてだけでなくサポーターとして、若手塗師の育成に伴奏して頂くということです。購入し、使い続け、育てて頂くことが、未来を担う京漆器の塗師育成につながります。
現在、2026年3月10日(火)まで特別先行申込みを受け付けています。特典として堤淺吉漆店の工場見学やプロジェクトの一期生である当社若手漆精製職人から進捗状況なども説明します。職人本人と直接会話し、一緒に育成に参加して頂きます。是非ご参加・お申し込みをお待ちしています。
申込みはこちらから
今なぜ漆屋が塗師を育てるのか
京漆器の産地である京都は、外から見ると他の漆器産地よりも職人も後継者も多く見られがちですが、実はそうではありません。かつて京都の漆器産業に従事していた職人さんは、高齢化や廃業などでその数は激減しています。本来は、職人のもとへ弟子入りし、何年もかけて師匠から指導を受け、また技を盗み、一人前へと成長していく。というのが職人の世界。しかし、業界は右肩下がり。弟子をとるどころか、職人自身が生活していくのに精一杯な状況なのです。
このままでは京都で漆器が塗れなくなってしまうのではないか。
私たちは素材屋としてそんな危機感をずっと持っています。
しかし、それは10年以上前から言われ続けてきたこと。
でもこの10年何も変わっていない。むしろ状況はもっと深刻化しています。
そんな中でも後継者育成に取り組んでいる職人さんもおられます。その中の一人が今回のプロジェクトで指導頂いている髙木漆工の髙木望さん。彼もまた厳しい職人の世界に弟子入りし、技術を習得した一人。そして低迷する業界の中で独立し、弟子も採用して後継者育成に取り組む苦労人です。
京都伝統工芸大学校(TASK)漆工芸出身で、お弟子さんの手塚茜さんも同じTASK出身。そして今回のプロジェクト一期生として髙木さんに従事している当社の従業員・久保金陽もTASK卒。ご自身が経験されてきた苦労がわかるからこそ、今回のプロジェクトの趣旨をご理解頂き、後輩への指導を快く受け入れてくれました。
京都には漆芸を学ぶ大学や専門学校が充実しています。ですが、卒業しても受け入れ先がなく夢を諦める若者がほとんど。当社はそんな未来の漆業界を担う若き人材の受け皿として、漆精製をしながら、漆塗りの仕事ができる場所を作りました。精製と塗り。そうした新しい働き方に挑戦し、この仕事にプライドを持って取り組んでもらえるように、環境を整えます。
このプロジェクトは「販売する」立場のD&DEPARTMENT KYOTOさんが業界の現状や課題を知り、自分ごととして企画、参加して頂いています。久保がレクチャーを受ける現場にも同行し、進行を伝えてくれています。そんな小売店は他にはないのではないでしょうか。
今後も継続することを前提に、dさんから毎年50客の漆器を発注して頂き、買い取ってもらうという仕組み。それを購入した方々がサポーターとしてプロジェクトの一員となり、一緒に成長を見守っていく。私たちは雇用している若手に仕事の一貫として塗りの勉強をしてもらう。
おそらくこれまでは、「そんなぬるい環境では成長しない」。という考え方が強かったと思います。多分今も多くの職人は自分がそうだったように、そう考えていると思います。私たちもそう思いますし、もちろんそれが一番正しいとも思います。でも結果、業界に後継者が育っていないというのが、ここ10年の結果だと思います。
だから私たちは、漆屋の仕事として、精製と塗りを両立させ、塗師の育成に挑戦します。d&URUSHI PROJECT KYOTOはそんな私たちにとって大きな光です。
是非、ご参加お待ちしております。