Und.ができるまで

 

“&”  Nature

漆には、

何かと何かをつないだり足したり、

何かに寄り添ったり、そのさきを示す

「&」の役割があります。

そして、

自然の美しさや偉大さ、圧倒的な力への畏怖の念を思い出させ

ものを大切にする心を育むこともできる。

明日へ、子どもへ、きれいな地球を。

自然を愛し、人とつながるものづくり世界。

そんな生き方を伝えたい、わたしたちです。


4月20日(土)私たち、堤淺吉漆店は「”&”Nature」の理念のもと、漆精製工房に隣接する事務所・倉庫をリノベーションし、新たなフラッグシップショップ『Und.』をオープンします。


Und.の成分表

Und.は床や壁に漆をはじめとする自然素材を使用しています。その施工には、木工家や漆芸作家など多くの仲間や友人が関わってくれました。

We use natural materials such as lacquer for the floors and walls here. Many colleagues and friends, including carpenters and lacquer artists, have been involved in the construction.




ベアーズウッド|bears wood

皆さんは、「クマ剥ぎ」をご存知でしょうか?名前の通り、クマが爪や牙で樹皮を剥ぐ事を「クマ剥ぎ」と言います。京都の京北エリアでも、このクマ剥ぎされた樹が増加し問題になっています。食料が山にないのか、縄張りアピールなのはっきり理由はわかっていませんが、森や林業家さん、私たちにとっても大きな問題です。そんな木に自分たちで新しい価値を創造し、問題を解決していければ、森で循環するものづくりのあり方をカタチにしていけるはず。そんな想いのもとに吉田木工さんを中心に私たちも一緒に進めているのがベアーズウッドプロジェクトです。

3階の床や棚板には木目の面白いベアーズウッドが使われています。

産地:京都

関わってくれた人たち :吉田木工四辻木工亀村さん


拭き漆|bears wood

素晴らしい技術が目立つ漆の世界ですが、そもそも木を守るために生活の中で使われてきました。拭き漆は生漆(漆の木の樹液)を「摺り込む」→「拭き上げる」作業を繰り返して艶を出すと同時に木を強くする最もシンプルな漆芸技法。3階の床板、棚板、カウンターなどUnd.の様々な場所に使われています。

今回は漆を触ったことのない人たちも拭き漆に参加して床板を仕上げてくれました。子供たちの代まで長く使ってもらえるよう想いを込めて見えない裏側にも漆を塗っていきました。

お手伝い頂いた皆さんありがとうございます!!

関わってくれた人たち:Alisa EvansさんRyoya Takashimaさん外山亮介さん、レイちゃん、Rodrigo Matsudaさん、左右田さん、上江洲さん吉田さん小池さん夫婦本吉さん林ナナさんPri Mikiさん山崎 伸吾さん、しゃかいかさん市岡さん光川さんFVK



柿渋塗り|persimmon tannin coating

柿渋(かきしぶ)は、渋柿の未熟な果実を粉砕・圧 搾し、それを発酵・熟成させて得られる抽出液。赤 褐色の半透明の液体でタンニン(カキタンニン)を 多量に含む。木工製品や衣料品の耐久性を高め、防 水・防虫・防腐・消臭効果を与えるなど、その効能 は驚くほど多彩。

Kakishibu (柿渋) is an extract obtained by crushing and pressing immature persimmon fruits (astringent persimmons), fermenting and aging them. It is a reddish-brown, semi-transparent liquid containing a large amount of tannin (persimmon tannin).

おいしいコーヒーの未来のために、地球の自然環境を守る活動や、持続可能な社会を保つ活動を進める小川珈琲さん。コーヒー豆が送られてくる麻袋「ドンゴロス」、ゴミになってしまうドンゴロスをなんとか活用したい思いがあります。今回は吉田木工さんの協力の元、麻布を貼りつけて床板を作成。ドンゴロスに防水性や耐久性を持たせるために柿渋を塗って使用しています。

ドンゴロスス提供:小川珈琲

関わってくれた人たち :吉田さんPri Mikiさん山崎 伸吾さんしゃかいか市岡さん

昔の扉も塗装を落として柿渋と漆とオイル、自然素材で新たに生まれ変わらせました。子供たちも頑張って研磨して柿渋塗ってくれました。

鉄太、楓、かえちゃんありがとう!





漆喰 | Plaster

1階ショールームと3階のワークスペースには漆喰を塗りました。冬場の「乾燥」や夏場の「湿気」を防ぐ調湿機能に優れた漆喰壁は、100年を超える長い時間をかけてゆっくりと呼吸をしながら固まっていくことで空間を心地よくしてくれます。

漆喰塗りはヒッタイトの中島さんに教えて頂きました。

一階、3階を塗るのは思った以上に大変で社員含めたくさんの人に塗って頂きました。



漆和紙壁 | washi paper×Urushi

Und.の3階キッチンには漆の塗られた和紙壁があります。

黒谷和紙を漆糊で貼り生漆を塗り重ねた。漆で防水性のある壁紙は汚れにも強く、経年変化で飴色の壁に育っていきます。「摺仕上げ一閑」

摺仕上げ一閑

糊漆で和紙を貼ったところ

生産地:黒谷和紙(京都府綾部市)

関わってくれた人たち:高木漆工さんRodrigo Matsudaさん




漆ムロ |

漆は湿気と温度で固化する天然の樹脂。一般の人向けに漆を体験してもらうワークスペースと職人仕事用の工房を構える3階には、温度と湿度が管理されたムロがあります。こちらはいつもお世話になっている吉田木工さんに作って頂きました。本体、戸などの鏡板には吉田木工さんが辻井木材さんと制作したベアーズウッドの合板が使用してあります。

1階の展示什器は京北の樹林舎さんに作って頂きました!

asakitichi tsutsumi