NALU 4月号に掲載して頂きました。

今月発売のNALUにて

『BEYOND TRADTION』 漆×アライアプロジェクトについて6ページの特集記事を掲載して頂いています。

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「うるしのいっぽ」からはじまった私たち漆屋の活動

それは漆屋がリアルに感じている漆の危機的現状と天然素材『漆』が持っている魅力を漆屋目線で伝えることでした。

それなりの反響を頂いて少し満足したように感じていたのですが、この時伝えることができていたのは工芸関係者ばかり

本当に伝えたいのは今漆に興味のない人々

漆の危機的状況を乗り越えるには多くの人の共感と力がなければいけない。

漆が自分たちにとって身近なものに感じてもらうにはどうしたらいいか?

サーフィンが一つのヒントになりました。

「木を植えて、育てて、採取する」この循環を壊さなければ漆は枯渇しない循環可能な地球に優しい資源。

この価値はサーファーのように自然を愛する多くの人に届くのではないかと考えるようになりました。

10年以上前にみたトーマスキャンベル監督のサーフフィルム「Sprout」その中でサスティナブルな生活を送りながらウッドの板を削るトムウェグナーさんを知り、その時ただただこの人の板に漆を塗りたいと思いました。

月日が流れ、漆の厳しい現状に直面し試案する中、再会したのがBeyond Traditionのプロデューサーとなる古くからのサーフィン仲間の青木真さんだった。

二人で映像をつくることを決め足かけ2年のプロジェクトがスタートしました。

プロジェクトの様子はこちらから

「みんなの力が、伝統を超えた新しい可能性を生む。」

「みんなの力が、伝統を超えた新しい可能性を生む。」

トムさんのホームで開かれたヌーサ・サーフィンフェスティバルでのBeyond Traditionの初公開後、日本にトムさんを招いて「Beyond Tradition」JAPAN Tourも京都を皮切りに各所で行いました。

その後アメリカの東海岸、西海岸をUrushi Alaia をもってまわり「Florida Surf Film Festival」ではなんと「Best Documentary short」を受賞します。

その時の様子はこちら

国内でも国外でも、行く先々でみんな漆のうつくしさの秘密を知りたがります。

触ってみてその手触りに驚きます。

その秘密のすべてがウルシの木から採れる自然からの贈り物だということ
それを大切に使ってきた文化があること
つないできた私たちの歴史にも敬意の言葉をもらいました。

トムさんがNALUの取材の中で

「技術や伝統は受け継がれないといつか失われてしまい、それをよみがえらせることはとても難しい。
漆のプロジェクトに関わって、本当にこの文化を失ってはいけないという気持ちに駆られました。」と気持ちを伝えてくれています。

漆の木とそれを使う文化を縄文時代からつないできた私たち日本人
もう一度この文化のすばらしさを再認識して今の時代だからこそみんなで繋いでいきたいと思いました。

トムさんが日本に来た時に新しいプロジェクトを提案してくれました。

「ウルシアライアに賛同する者が、頭金を出資する。そしてその資金を元に漆を植林して、木を増やしていく。そして10年後に手元に届くのはどうだろう」

このアイデアは今トムさんたちみんなとワークショップを行った京都の京北で新たなプロジェクトとして始まろうとします。


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Urushi Alaia for Children of Mother Nature

asakitichi tsutsumi