地球の光を映し出す成層圏の漆アート

京都市立芸術大学漆専攻の学生・卒業生と、東京大学、名古屋工業大学など工学部の学生らで構成される「宙漆プロジェクト」は9月20日、最大のミッションである、成層圏に漆造形作品を飛ばし、宙に浮かぶ漆アート映像の撮影に成功しました。

昨年は残念ながら成功とはならなかったこの試み。今年はリベンジに燃える学生たちの熱き想いを乗せて、スペースバルーンを用いて高度約30kmの成層圏に、京都市立芸術大学の久保尚子さんが制作した漆アート作品を飛ばし、見事ミッション達成。光を映し出す美しく感動的な漆の映像を是非ご覧ください。

気圧や気温の変化に耐えて、艶を保持したまま回収された光琳漆

当社は、この学生たちのロマンに共感し、漆の提供など微力ながらサポートさせて頂きました。成層圏という未知の世界。地球上では想像できない気圧や気温の変化に漆がどう耐えうるのか。私たちは耐候性に優れる「光琳上黒呂色(無油)」を提供させて頂き、使用してもらいました。役目を終え上陸した作品には、落下時に入ったヒビはあったものの、大きな破損もなく、艶も保持したまま回収されたとのことです。今後、詳しく検証させていただけるとありがたいです。

作り手である久保さんは、「漆は環境を映し出す素材」と表現し、「漆の塗膜を撫でるように、地球の光を映し出すイメージ」で作品を造形したとのことです。そのイメージ通りの美しく感動的な映像は、漆だから表現できたものかもしれません。

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asakitichi tsutsumi